《私と風景》より私の肖像
インクジェット、キャンバス
700×550mm
2024
《私と風景》より風景
インクジェット、キャンバス
350×425mm
2024
風景とわたし
取り壊されたビルの跡地から微かに聴こえてきた音。周辺の建物と繋がった、剥き出しのパイプは深夜の暗闇でよく見えない。音を頼りに、その先を想像する。そこでどんな生活が営まれているのか。リズミカルに、不規則に続いて行く日々。そこに身体がチューニングされ、落ちていた石ころや工具を鳴らし出す。
持ち帰った音に声をかけてみる。"わたし"という思考は、分解の呪文となって、その風景は、バラバラの記号のように、解れながらも、またその声によって、つなぎとめられ、再構築されていく。揺らぎによる波形が描き出す関係性。
集団的意識によって抽象化されたビジュアルは、現実を理想的にデフォルメし、何故か、僕個人が実際に見たあの風景よりも、リアリティを持っているように感じられる。
2025年1月 石川竜一
石川竜一
1984 年沖縄県生まれ。2010 年、写真家 勇崎哲史に師事。
2011 年、東松照明デジタル写真ワークショップに参加。
2012 年「okinawan portraits」で第35 回写真新世紀佳作受賞。
2015 年、第40 回木村伊兵衛写真賞、日本写真協会賞新人賞受賞。
主な個展に2014 年「RYUICHI ISHIKAWA」gallery ラファイエット(沖縄)、「zkop」アツコバルー(東京)、「okinawan portraits」Place M(東京)、「絶景のポリフォニー」銀座ニコンサロン(2015 年大阪ニコンサロン)、2015 年「okinawan portraits」The Third Gallery Aya(大阪)、「A Grand Polyphony」Galerie Nord(パリ)、2016 年、「okinawan portraits 2012-2016」Art Gallery Artium(福岡)、「考えたときには、もう目の前はない」横浜市民ギャラリーあざみ野、2017 年「OUTREMER/ 群青」アツコバルー(東京)、2021年「いのちのうちがわ」SAI(東京)。
主なグループ展に2016 年「六本木クロッシング2016 展:僕の身体、あなたの声」森美術館(東京)、「Body/Pla Politics」横浜美術館(神奈川)、2017 年「日産アートアワード2017:ファイナリスト5 名による新作展」BankART Studio NYK(神奈川)、2019 年「 Oh!マツリ★ゴト 昭和・平成のヒーロー&ピーポー」兵庫県立美術館(兵庫)。
写真集に『okinawan portraits 2010-2012』『絶景のポリフォニー』『adrenamix』『okinawan portraits 2012-2016』『いのちのうちがわ』(いずれも赤々舎)、『CAMP』(SLANT)。
協力:赤々舎