ナカバヤシアリサ《Untitled 刻む (Untitled reflection)》
Acrylic, oil pastel, pencil, paper
1620×1303(mm)
2022
ナカバヤシアリサ《The other side》
Acrylic, crayon, pencil, paper
304.8×228.6(mm)
2021
《流るるところ》
絶え間なく流れる水はどこから来てどこに行くのか。
流れゆく先には何があるのか、どこを通るのか。
私たちの流れ着いた今いる場所は、遠回りなのか目的地なのかすら不明確だが、
今ここで見える風景(他者)を大切にしたい。
抽象はより生々しい現実なのか。
絵画なのか滲み(にじみ)なのか。
ナカバヤシはスムースな支持体の上に、オートマティズムと素早いブラシストロークで森や川にも見える滲みのようなものを描く。
道に出ないようにと不自然にカットされた街路樹は誰もその声に耳を傾けてもらえなかった彼女に、庭園を流れる水は人から守られ暗闇を出ることのない彼に、一見
すると風景画にも見える絵が生々しい人々のリアルとして表現されている。
そこに描かれたものは、鑑賞者のバックグラウンドや世の中の課題によってたえず変化し、絵画の身体を経験させ他人の痛みを想像させる装置となり得る。
私は幼い頃から日本という国で女性として生きてきて、癒しがたい肉体の苦しみを感じてきた。
その傷を癒すための作業なのか、それとも今助けを求めている人に手を差し伸べるためなのか。
どちらかだけということはないはずだ。そんな自分の世界を物質化することが、誰かを理解することへの唯一の方法であり、社会との繋がりにもなっている。
ナカバヤシアリサ
1992年 東京都新宿区に生まれる
2017年 多摩美術大学油画専攻卒業
2018年 アートスタジオLION加入
《個展》
2019 Cross Section Portrait / LAUNCH PAD GALLERY / 横浜
2022 静かなる森 / BankART Under35 2022 / 横浜
《グループ展》
2014 メンヘラ展2 / LE DECO / 渋谷
2015 メンヘラ展special /TAV GALLERY / 阿佐ヶ谷
2016 お前らみんな友達じゃない展 / DUST BUNNY / 池袋
2016 トーキョーワンダーシード / トーキョーワンダーサイト / 渋谷
2017 第40回東京五美術大学連合卒業 ・ 修了制作展 / 国立新美術館 / 六本木
2020 見てわかるもの / rusu / 目黒
2021 超たまたま18 / KOGANEI ART SPOT シャトー2F / 小金井レジデンス
2019 BankART AIR 2019 /BankART Station / 横浜
〈オープンスタジオ〉
2018 super open studio / LION / 相模原
2019 BankART AIR 2019 / BankART Station / 横浜
2019 super open studio / LION / 相模原