

《像 I》 (Figure I, 2026)
2026年制作
970×540mm
和紙、蒟蒻糊、顔料
山口はこれまで、他者の存在や自他の境界、そこに生じる像のあり方について制作してきました。本展では、人の身体を部位ごとに土で形づくり、その表面から和紙へ拓をとる新作を発表します。
ここで形づくられる身体は、特定の誰かをモデルとしたものでも、作家自身の身体でもありません。身体をはじめから一続きの全身像としてつくらず、部位ごとに向き合うことで、顔だけを存在の中心とせず、腕や背中、手や足にもひとを見出そうとしています。
陶の身体に生まれた形や微細な表情を写し取ろうとしても、和紙はその意図をそのまま受け入れるわけではありません。立体に触れた紙には皺やたるみが生まれ、墨には濃淡やずれが生じます。平面へ移された紙が空気を孕み、原型にはなかった立体感を得ることもあります。山口は制作を進めるなかで、そうしたずれを元に戻そうとするのではなく、そこに現れたものを受け取るようになりました。
制作の途中、山口は紙に移された身体を見ながら、胸の上下を確かめるように目で追っている自分に気づいたといいます。それが墨の点の連なりによる錯視なのか、空気を孕んだ和紙のかすかな揺れなのかはわかりません。本展では、陶から紙へと移るなかで身体が像となり、その像が別の身体として現れてくる過程を探ります。
山口 真和 Mana YAMAGUCHI
美術作家 Artist
1987年 東京都生まれ | 埼玉県・東京都を拠点に活動
Born 1987 in Tokyo, Japan.
Lives and works in Tokyo and Saitama, Japan.
学歴 Education
2013–2017 シュトゥットガルト美術大学(ホルガー・ブンク教室) State Academy of Fine Arts Stuttgart (Prof. Holger Bunk)
2010–2013 東京藝術大学 大学院 美術研究科 油画専攻 修士課程
2006–2010 東京造形大学 美術学部 絵画専攻
個展 Solo Exhibitions
2023 RUINS(GALLERY KTO 新宿 / 東京)
2022 壊れた顔をすすぐ / 新しい影を作る(ラルテ / 東京)
2022 Nightgazer(GALLERY KTO 原宿 / 東京)
2022 隣り合う景色(CAFE&SPACE NANAWATA / 埼玉)
2019 パン屋と絵 #10(ドイツパンの店タンネ / 東京)
グループ展 Group Exhibitions
2026 どこかでお会いしましたね 美術と哲学の対話II-翻訳-(浦和市埼玉会館 / 埼玉)
2025 どこかでお会いしましたね-美術と哲学の対話(浦和市埼玉会館 / 埼玉)
2023 KOGEI Art Fair Kanazawa 2023(ハイアット セントリック 金沢 / 金沢)
2021 The Shark(ドイツ文化会館 / 東京)
2019 昇華のモルフォロジー(Komagome 1-14 cas / 東京)*展示寄稿文
2018 踏青 Auf die neue Boden(ZAPbeijin / 北京)
2017 SPACELESS – Das Rollbild als Raum für das Mögliche(シュトゥットガルト美術大学 /
シュトゥットガルト)
2017 Canvases and Other Strange Creatures(ドナウハレ / ドナウエッシンゲン)
奨学金 Scholarships
2013 ドイツ学術交流会(DAAD)奨学金 Scholarship from the German Academic Exchange Service (DAAD)