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石川竜一

Sunset

2025.10.14.火 ~ 11.16.日
13:00 ~ 19:00
休廊:毎週日月、 10.26.日 ~ 11.03.日、11.13.木

高松芸術港 巡回展

協力:株式会社赤々舎、高松芸術港
GALLERY KTO 新宿
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Consumer Anonymous
Walker EvansのLabor Anonymousへのオマージュ
 どのようなことでも同じなのかもしれないが、今ここにいることに、大した理由なんてなく、そこに何かしらの意図や思惑があったとすれば、その殆どは、生きようとするどうしようもなさ(生存欲、生理的欲求)を除いては、社会的な何か(社会的欲求やそのために与えられた役割)なのかもしれない。かろうじて、間接的に、生活と繋がっているようでもある、消費者の視線。(生理的欲求を除いた殆どが社会的役割であるのならば、その社会性が優先される消費社会では、人々の個性は薄く、社会を円滑に進めるための一片のような存在である。)

細菌のように増殖していくショッピングストリート
立ち並ぶブランドショップ
行き交う人々
身を飾る肩書きと、そのコピーの数々
流行りの飲食店で付けたシミ

それは止めどなく湧き出る欲望に纏わりついた哀愁のようだ
それぞれの物体や現象を、記号的に位置付けると、別の形状(シニフィアン)を持って、同じ意味(シニフィエ)を示すもので、その記号(シーニュ)構造、または、その捉え方自体が、消費社会と密接な関係があり、哀しさを漂わせるアクセサリーのようだ。

そんな思いの先に現れた景色

歴史を思い起こささせるレンガの壁
傾いた太陽の光によって、重なるように落ちた木影
人間によって意味づけられたものたちに囲まれたショッピングストリートに差し込む、原初の光としての太陽光。その自然の光が、夕刻に斜めに差し込み、同様に自然の生きものとしての樹木と、人間のより濃い影を、資本主義の歴史を思い起こさせる煉瓦の壁に落としている。

その自明的であるような意味に救いを求めていたのかもしれない
それを自然からのメッセージと捉えるのならば、自然の一部としての人間とその社会に対する警告のようでもある。しかし、それを捉えることができるということは、人間自体の葛藤のようでもあり、その葛藤の中に、当然のことながら、人はただ欲望のままに生きているだけではないのだろうという、救いを感じる。

彷徨う肉体←物体としての人間
引き剥がされた知性←物質世界からヴァーチャルに移行していく知性
それらを繋ぐ精神←肉体と知性を繋ぐ力

消費とは、人の作り出した意味の消滅であり、物質が続けてきた変換運動であり、エネルギーのインフレーションでもある。
記号とは、人によって行われてきた意味付けという行為であり、ボードリヤールが言うように、成熟した消費社会はモノではなく、記号を消費し尽くす。 

しかし、宇宙理論では、ビックバン以降、宇宙は広がり続け、そのインフレーションは世界の全てと繋がっていて、ブライアングリーンによると、エントロピックツーステップという法則に従ってエントロピーを増やしている。
ということは、人間社会の秩序は、宇宙の働きに沿った自然な流れである。

2025年10月 石川竜一

石川竜一
1984年 沖縄県生まれ
2006年 沖縄国際大学社会文化学科卒業
沖縄県在住

受賞
2015年 第40回木村伊兵衛写真賞受賞
日本写真協会新人賞受賞
第49回沖縄タイムス芸術選賞奨励賞受賞

主な個展
2025年 「風景とわたし」GALLERY KTO 新宿、東京
2024年 KG+「いのちのうちがわ」京都湾処、京都
2023年 「音景色」GALLERY KTO 新宿、東京
2021年 「草の肌」GALLERY KTO 原宿、東京
「いのちのうちがわ」SAI、東京
2019年 「home work」The Third Gallery Aya、大阪
2018年 「zkop: a blessing in disguise」Yamamoto Keiko Rochaix、 ロンドン、イギリス
「OUTREMER/群青」The Third Gallery Aya、大阪
「adrenamix」PIN-UP、沖縄
「okinawan portraits 2012-2016」宜野湾市立博物館、沖縄
2017年 「草に沖に」アンダースロー、京都
「OUTREMER/群青」アツコバルー、東京
2016年 「okinawan portraits 2012-2016」Art Space AM、東京
「okinawan portraits 2012-2016」Epson Imaging Gallery epSITE、東京
「okinawan portraits 2012-2016」The Third Gallery Aya、大阪
「Camp」tomari、沖縄
「okinawan portraits 2012-2016」Art Gallery Artium、福岡
「Camp & Okinawa」Have a nice GALLERY、台北、台湾
「adrenamix」Pulp Gallery、大阪
「Camp」PINEBROOKLYN、大阪
「Camp」Wag Gallery、東京
「考えたときには、もう目の前にはない 石川竜一展」横浜市民ギャラリーあざみ野、神奈川
2015年 「+zkop」沖縄コンテンポラリーアートセンター、沖縄
「adrenamix」新宿フォト&バーnagune、東京
「A Grand Polyphony」Galerie Nord、パリ、フランス
「絶景のポリフォニー」大阪ニコンサロン、大阪
「okinawan portraits」The Third Gallery Aya、大阪
2014年 「絶景のポリフォニー」、銀座ニコンサロン、東京
       「okinawan portraits 2010-2012」Place M、東京
「zkop」アツコバルー、東京
「RYUICHI ISHIKAWA」gallery ラファイエット、沖縄
2010年 「瞑」(写真、コンテンポラリーダンス)ギャラリーoMac、沖縄
「脳みそポートレイト」沖縄県立博物館・美術館1F県民ギャラリー1,2、沖縄
主なグループ展
2022年 国際芸術祭「あいち2022」「《THE JOURNEY WITH A GUN, AND NO MONEY―北海道無銭旅
行》 2022」旧丸利陶管、愛知
「コレクション1 遠い場所/近い場所」国立国際美術館、大阪
2019年 「Fotografia Europea 2019」Chiostri di San Pietro、レッジョ・エミリア、イタリア
「Oh!マツリ☆ゴト 昭和・平成のヒーロー&ピーポー」兵庫県立美術館、兵庫
2018年 「TOP END 2」斜里町公民館ゆめホール知床、北海道
「About the photographs, About us, Asia」アンダースロー、京都
「Bon voyage」PIN-UP、沖縄
2017年 「日産アートアワード2017:ファイナリスト5名による新作展」BankART Studio NYK、神奈川

「Looking at Borders」Casa Asia、ハバナ、キューバ
「Looking at Borders」ロシア国立東洋美術館、モスクワ、ロシア
「The Photography Show」 会場?、ニューヨーク、アメリカ合衆国
2016年 「Body/Play/Politics」横浜美術館、神奈川
「OKINAWA : UNE EXCEPTION JAPONAISE」Le Plac'Art Photo、パリ、フランス
「2016 Daegu Photo Biennale」Daegu Culture & Arts Center、Bongsan Cultural Center、大邱、
大韓民国
      「イチハナリアートプロジェクト」沖縄
「東北 沖縄」伊藤忠青山アートスクエア、東京
「六本木クロッシング2016展 僕の身体、あなたの声」森美術館、東京
      「ドバイ・フォト」ドバイ デザイン ディストリクト、ドバイ、アラブ首長国連邦
2015年 「木村伊兵衛写真賞40周年記念展」川崎市市民ミュージアム、神奈川
「叢×10」NADiff A/P/A/R/T、東京
「日本写真協会賞受賞作品展」富士フイルムフォトサロン スペース1・2、東京
「第40回木村伊兵衛写真賞受賞作品賞展」新宿コニカミノルタプラザ、東京
「portraits」The Third Gallery Aya、大阪
2014年 「show case #3」eN arts、京都
「森山大道ポートフォリオレビュー展」沖縄県立博物館・美術館1F県民ギャラリー、沖縄
2013年 「Fragments 3」(写真、コンテンポラリーダンス)沖縄県立博物館・美術館1F県民ギャラリー、沖

2012年 「沖縄本土復帰40周年写真展 Okinawa 0 Point」沖縄県立美術館、沖縄
出版物
2022年 『zk』赤々舎
2021年 『いのちのうちがわ』赤々舎
2016年 『okinawan portraits 2012-2016』赤々舎
『Camp』Slant
2015年 『adrenamix』赤々舎
2014年 『絶景のポリフォニー』赤々舎
『okinawan portraits 2010~2012』赤々舎

パブリック コレクション
国立国際美術館、大阪
川崎市市民ミュージアム、神奈川

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