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佐々木裕司

宇宙の4つの力と受身絵画 ー The Four Forces of the Universe and Ukemi Painting

2026.11.03.火 - 11.14.土
13:00 - 19:00
休廊:毎週日月
GALLERY KTO 新宿
ACCESS 〉〉
漆黒から光へ〜金の場合〜
— 余剰次元へ漏れ出す重力 —
From Jet Black to Light — In the Case of Gold —
— Gravity Leaking into Extra Dimensions —
漆黒から光へ〜金の場合〜
— 余剰次元へ漏れ出す重力 —
From Jet Black to Light — In the Case of Gold —
— Gravity Leaking into Extra Dimensions —

重力は宇宙の4つの力の中で最も弱い力だと言う(註1)。
しかし、重力ほど我々に大きく関わっている力は無い。
日常の営みはもちろん、ピラミッドからロケットまで、重力との関わりなしには成り立たない。
また、画家の修業であるデッサンにおいては、目に見えないが存在する重力を知覚し、描くことを
学ぶ。
物理学は自然界から法則を発見することを目指すが、芸術は人間の外界の知覚と認識から生じる意識の表象を目指す。
そして「受身絵画」は、[色彩][素材][絵の具の形象の選択]を伴う、意思と身体と重力とのコラボレーションである。
古くより日本武道に伝わる体術である前方回転受身では、右手から入れば左手で畳を叩き、左手から入れば右手で畳を叩く。身体は回転するだけではなく、その過程で左右や表裏を入れ替えながら、重力を受け流し、再び起き上がる。
この動きは、単純な円運動というよりも、一度ねじれながら連続していくメビウスの輪のようにも見える。
今回、私はこのメビウスの輪を、一般的な一度のひねりではなく、あえて3回ひねることで造形化することを試みた。
3回のひねりによって、帯は複雑に反転しながら連続し、表と裏、内と外、上と下という、私たちが当然のものとして捉えている空間の関係を揺さぶる。そこには、ひとつの面が自らの内と外を行き来しながら、異なる空間へとつながっていくようなイメージが生まれる。
これは、単なる幾何学的な形態への興味ではない。重力を受けて身体が反転し、再び起き上がる運動を、空間そのものの変容として捉え直す試みでもある。
そして、重力について考えていくと、私たちが認識している空間の外側に、さらに別の次元が存在するという物理学の仮説にも行き着く。超弦理論などでは、私たちには直接見ることのできない余剰次元が、カラビ–ヤウ多様体のような複雑な幾何学的構造として巻き込まれていると考えられている。

重力もまた、私たちが認識する時空だけに閉じたものではなく、より高次の空間へ広がっている可能性が考えられている。
もちろん、「受身絵画」とこうした高次元の物理学が直接結びつくわけではない。しかし、目に見える身体の運動の中に、目には見えない空間や力の構造を感じ取ることはできないだろうか。
「倒れること」と「起き上がること」、「受けること」と「流すこと」、「表」と「裏」、「見えている空間」と「見えない空間」。
「受身絵画」は、その境界を身体によって探る試みでもある。
今回の展示は、「受身絵画」によって立ち現れた身体のリズムと、「重力」がより高次の空間へ流れ出していくことの不思議さと美しさとを、展示空間として表すことを目指しました。
ご高覧いただければ幸いです。

(註1)
宇宙の「4つの力」は、
1重力
2電磁気力
3強い力
4弱い力
である。
代表的なエネルギー領域で比較した、おおよその相対的な強さは、
強い力:電磁気力:弱い力:重力
= 1:10−2(約1/100):10−13:10−38
1 重力は、ニュートンの万有引力の法則では、リンゴが落ちるなど、質量を持つ物体同士が互いに引き合う力として記述される。太陽のような恒星やブラックホールにも重力は作用する。一方、アインシュタインの一般相対性理論では、重力は質量やエネルギーによって曲がった時空の幾何学として記述される。この点で4つの力の中でも特殊であり、現在の物理学においても、量子重力をめぐって、超弦理論やループ量子重力理論など、さまざまな理論が研究されている。
2 電磁気力は、電気と磁気、光などに関わる力。
3 強い力は、クォークを結びつけ、原子核の中では陽子と中性子を結びつける相互作用。
4 弱い力は、放射性のベータ崩壊などを引き起こし、クォークやレプトンの種類を変える相互作用。

佐々木 裕司 Yuji Sasaki

1960年 7月28日 福岡県生まれ
    8歳より町道場にて柔道を学ぶ
    高校2年次に講道館二段取得
1979年 福岡大学法学部法律学科入学、9月中退
1978年 上京、御茶の水美術学院油画昼間部に通う
1986年 東京芸術大学美術学部絵画科油画専攻入学
1989年 "What's new?" 展
    谷中アートフォーラム
    監修 工藤哲巳(くどう・てつみ/現代美術家前東京芸術大学教授)
1990年 昭和天皇崩御をテーマに「天皇展」シンポジウムパネラー 
    中沢新一(なかざわ・しんいち/現明治大学特任教授 多摩美術大学客員教授)
    於:東京芸術大学芸大学生会館
1990年 東京芸術大学美術学部絵画科油画専攻卒業
1992年 初個展「額縁の超克Beyond the frame」
2004年 「私の眼の前にただ在る風景シリーズ」スタート
2008年~09年 「シシュポス・ナウ」展​
      キュレーション 坂口寛敏(さかぐち・ひろとし/現代美術家前東京芸術大学絵画科油画教授)監修 針生一郎(はりう・いちろう)/美術評論前原爆の図丸木美術館館長和光大学名誉教授)於:原爆の図丸木美術館
2009年 パリアート革命 凱旋門~コンコルド広場 日本の芸術展」公開制作・展示 於:ザルツブルクミュージアム
2009年 「生タダ展」早稲田大学キャラリー+小野記念講堂監修、塚原史(つかはら・ふみ/前早稲田大学法学部学術院教授 表象文化論)
2010年 会田誠(あいだ・まこと/現代美術家)「絵バカ」展オープニングレセプション「受身絵画」友情パフォーマンス
2011年「受身絵画9.11グランドゼロを転がる!」NYC遠征中3.11勃発、急遽タイムズスクエアで単独募金活動を行う
2013年 「受身絵画」公開制作 NYC エンジェルオランザンツファンデーション
2014年 NYCタイムズスクエアアメリカンイーグルビル液晶ビルボードビル全面に「受身絵画」が映し出され紹介される
2014年 横浜トリエンナーレ「ART-BIN」VIP参加、トリエンナーレアーティスティックディレクター森村泰昌(もりむら・やすまさ/現代美術家)とアートバトル
2017年 個展「熟柿の落つるが如く!」展示会寄稿文 土方明司(ひじかた・めいじ/美術評論家 平塚市美術館館長代理)、於:表参道画廊
2018年 ザ・アート・ピクニック 於:セント・ジェームズパーク、ロンドンUK

■テレビ出演
ビートたけしの誰でもピカソ(日本初のアートバラティー番組 番組立ち上げに協力)
所さんの学校で教えないところ
ぶらり途中下車の旅
アウトデラックス 共演 マツコ・デラックス、矢部浩之(ナインティナイン)
ニノさん
月曜から夜更かし
櫻井有吉のTHE夜会(4/28放送、KAT-TUN亀梨和也へ「受身絵画」伝授)
いちげんさん(テレビ東京)
天才テレビ君(Eテレ)
AGARU TV(インターネットTV「マッスルインターン」

■映画出演
増山麗奈 「桃色のジャンヌダルク」
会田誠 「駄作の中に俺がいる」

■新聞雑誌書籍 掲載・寄稿
西日本新聞
「丸亀日記」藤原新也(ふじわら・しんや/写真家)”新婦は祝福されているか?”
週間新潮
毎日新聞
日経新聞
朝日新聞
2916ユリイカ8月臨時増刊号 総特集 ダダ・シュルレアリズムノ21世紀 ダダ100周年
&Aブルドン生誕120年/没後50年に「受身絵画」でエッセイを寄稿、監修
​巌谷國士(いわや・こくし/フランス文学 明治街区院大学名誉教授)塚原史(同上)

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