top of page
三井田盛一郎

Little Story -小さなお話

2022.08.23.Tue ~ 09.06.Tue
blues dress SHIHBUYA
13:00 ~ 18:00 No holidays
三井田盛一郎《波平》

”裸足の脚を浮かせて、ブランコに腰掛けている老人。
小さなお話で、森へ連れ去られる男です。”
2013年/パネルに木版画/90x 60cm
三井田盛一郎《小さなお話ーother's hands》

”自分の両頬に両ね手をやる。
それは優しい優しい誰かの手でした。”
2015年/布にアクリル

《Little Story -小さなお話》
  このタイトルで初めて展示をしたのが2015年のこと。大きな話となれば、歴史とか政治とか、論説でも始まるのだろうけれど、私のは多分“小さな”というわけで、小説のようなこと。目の前で起こったことでも、描いてしまえば、フィクションになっていく。このフィクションのモチーフが随分とたわいないことなので「小さなお話」と題し始めた。
 こんな、”描くこと“の理由には、“あら、絵が描けない”という、確かな感覚あったのだけれど、これはまたの機会に。描いているものは、眼に映り込むものや出来事、そして言葉や絵の方法でこしらえたものや出来事。
 20年ほどのむかし、“何かが表象されること”を懸命に避けようとしていた。今の描くことは、何かが表象されてしまうことを懸命に認めようとする。
 描く。するとヒトや花、風景に模様、何か愛のようなお話が、現れる。鬼や天使、巨人は人の世界から離れて彼らの倫理を実行してくれる。悪くない世界。描く。すると確かに、何の像が結ばれる。現れる世界は、描かれる瞬間、横滑りを起こす。描こうとしていた事をすっかり忘れて、ヒトは木に、花は顔に、顔は風景に変身する。多分。絵は、私に自由に振る舞い、私は絵を自由に扱おうとはしていない。
 そうやって、小さなお話は続いていく。
2022年8月7日記 昨日知人たちとサミュエル・ベケット の話をした。

三井田盛一郎/MIIDA SEIICHIRO

《略歴》
1965年 東京生まれ
1992年 東京芸術大学美術学部絵画科油画専攻    卒業
1993年    東京芸術大学大学院美術研究科修士課程(版画)中退
現在 東京藝術大学版画研究室 教授

《展覧会と作品》
1992年 ‘92版画「期待の新人作家」大賞展 大賞受賞
1996年 第25回現代日本美術展 佳作賞受賞(東京都美術館、京都市美術館)
1997年 リュブリアナ国際版画ビエンナーレ展 コミッショナー:針生一郎
1998年 VOCA展‘98 上野の森美術館 Work ‘97”景色のある”
1999年 Exhibition MIIDA SEIICHIRO  InnGalerie(オーストリア)
2000年 町田市立国際版画美術館作家招聘 次代をになうアーティスト達①三井田盛一郎展
2002年 木村秀樹・三井田盛一郎・吉岡俊直 展ギャラリー旬(名古屋)
2003年「JOINT RESEARCH & DEVELOPMENT展」ディー・クライネギャラリー(ウィーン)
2004年 “Ispa JAPAN NAGOYA” 「日本の木版画100年展−創作版画から新しい版表現へ−」
名古屋市美術館(同美術館、大学版画学会主催)
「JOINT RESEARCH & DEVELOPMENT展」 SCHLOSS LANDECK(ランデック市美術館/オーストリア) 
2004年 Ispa JAPAN「国際現代版画展—The PLATE」*東京芸術大学大学美術館陳列館
2006年 EXHIBITION 2006 a landmark MIIDA SEIICHIRO GALLERYゆう(岐阜、大垣)、EXHIBITION a plate MIIDA SEIICHIRO ギャラリー旬(名古屋)
2007年 GRAPHICA/Final Destinations 京都市美術館
2009年 EXHIBITION MIIDA SEIICHIRO  尾道市立白樺美術館(現尾道市立大学美術館)
2012年 PAPER-UNPAPAER MUSEUM of China Central Academy of Fine Arts中央美術学院
2013年 Print Art Trienniale in Kyoto  京都市美術館
2014年 T木版ぞめき―日本でなにが起こったか―」東京藝術大学大学美術館
          三井田盛一郎展 アートゾーン神楽岡(京都)
2015年 Exhibition MIIDA SEIICHIRO – “岸壁の父母-此の人の月日” Higure17−15 cas
    「版画とコード・会議と展覧会」 四川美術学院 (重慶・中国)
Exhibition MIIDA SEIICHIRO – “岸壁の父母-此の人の月日” Higure17−15 cas
2017年 日中交流展「紐帯」寧波美術館(中国 寧波)
2020年「共鳴する刻[しるし]―木口木版画の現在地」CCGA現代グラフィックアートセンター(福島)
2021年   版は物語る 文房堂ギャラリー(東京、神田)
他、個展多数

bottom of page