top of page
《俯く友人》
アクリルガッシュ、アクリル、キャンバス
1620×1303mm
2022
《顔の見えない友人》
アクリルガッシュ、アクリル、キャンバス
652×530mm
2022
いつの時代も世の中が不安定な状態に陥るとデマやフェイクニュースといった不確かな情報が溢れます。SNSの登場以降、その拡散スピードは段違いのものとなり強い感情を呼び起こすコンテンツは正確な情報でなくとも反射的に拡散され広まる傾向にあります。もしくは歴史的な偉人の肖像画だと教えられてきたものが実は別人だったという話のように、自分たちが信じてきたものが急にひっくり返る瞬間があります。
本作は作家にとって大切な人たちをモチーフとした展覧会、というていで誰一人知らない人物を描いた展覧会であり、さらに印刷物を描いているので人物のイメージではありますがあくまで表面的なイメージだけが立ち現れているという状況が描かれています。モチーフに亀裂のように入ったシワはその表面的な虚構のイメージを破壊する象徴として入れています。今日、何が事実で何が嘘なのか日に日に複雑となっていく中で、絵画の鑑賞においても描かれているイメージや作品情報を何気なく鵜呑みにするのではなく、一歩引いた視点から鑑賞する事を提示できればと考えています。
大西晃生(おおにし あきお)
1996年岡山県生まれ。2019年京都精華大学デザイン学部イラスト学科イラストコース卒業。
ストックフォトなどから選んだポートレートを印刷・加工したものを撮影、それをもとに絵画作品を描く。インターネットにおける情報の真偽やイメージの虚構性をテーマに制作している。
instagram:@chibakeru
Twitter:@chibakeru
bottom of page